電線サイズガイド:断面積と許容電流表
日本電線断面積規格
日本標準(JIS C 3102等)ではmm²(平方ミリメートル)で電線断面積を表記します。断面積が大きいほど許容電流が高くなります。常用規格は0.9mm²から500mm²まであり、各ランクで約25〜30%ずつ増加します。
内線規程 許容電流表(銅心PVC絶縁)
| 断面積(mm²) | 対応AWG | 直径(mm) | 露出配線(A) | 管内配線(A) | 一般的な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.25 | 16 | 1.26 | 17A | 15A | 照明回路(15A) |
| 2.0 | 14 | 1.60 | 22A | 20A | コンセント回路(15-20A) |
| 3.5 | 12 | 2.12 | 30A | 26A | エアコン、台所(20-30A) |
| 5.5 | 10 | 2.64 | 38A | 35A | 大電力機器(30-40A) |
| 8 | 8 | 3.20 | 49A | 43A | 分電盤幹線(40A) |
| 14 | 6 | 4.22 | 65A | 57A | 引込み線、分電盤(60A) |
| 22 | 4 | 5.29 | 85A | 75A | 引込み線(75A) |
| 30 | 2 | 6.18 | 100A | 90A | 大型配電(100A) |
| 38 | 1/0 | 6.95 | 115A | 105A | 商業引込み(125A) |
| 60 | 4/0 | 8.74 | 155A | 140A | 大型商業引込み(150A) |
絶縁温度定格:PVC絶縁(60°C)が一般的。耐熱PVC(75°C)やXLPE(90°C)は特殊用途向け。管内配線は放熱制限のため許容電流が低下します。
銅線とアルミ線の比較
| 特性 | 銅線 | アルミ線 |
|---|---|---|
| 導電率 | 100%(基準) | 銅の61% |
| 許容電流(同断面積) | 高い | 低い(約2ランク大きなサイズが必要) |
| コスト | 高い | 低い(40〜60%節約) |
| 重量 | 重い | 軽い(銅の50%) |
| 酸化 | 最小限 | 酸化防止剤が必要 |
| 規格要件 | 標準 | Cu-Al併用端子の使用必須 |
| 一般的な用途 | 支線回路(15〜50A) | 引込み線、幹線(100A以上) |
電圧降下参照表(30m往復あたり)
| 断面積(mm²) | 抵抗(Ω/km) | 10A @ 100V | 15A @ 100V | 20A @ 100V | 30A @ 200V |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.25 | 14.6 | 4.38V (4.4%) | 6.57V (6.6%) | — | — |
| 2.0 | 8.87 | 2.66V (2.7%) | 3.99V (4.0%) | 5.32V (5.3%) | — |
| 3.5 | 5.09 | 1.53V (1.5%) | 2.29V (2.3%) | 3.05V (3.1%) | — |
| 5.5 | 3.27 | 0.98V (1.0%) | 1.47V (1.5%) | 1.96V (2.0%) | 2.94V (1.5%) |
| 8 | 2.22 | — | — | — | 2.00V (1.0%) |
内線規程推奨:支線回路の電圧降下を3%以内、幹線+支線の合計を5%以内に抑えること。
よくある電線選定の間違い
- 20A回路に2.0mm²電線を使用:内線規程では2.0mm²の過電流保護は15Aが上限です。20Aでの使用は規則違反で火災の危険があります。
- 長距離配線で電圧降下を無視:15A負荷を1.25mm²で45m配線すると電圧降下は13.1V(13.1%)——3%の限界を大幅に超過。長距離では電線を太くしてください。
- 多心配線の低減を無視:1つの管に4本以上の電流導体がある場合、許容電流を低減する必要があります(4〜6本で80%)。
- 銅線とアルミ線を混用:Cu-Al併用端子のみを使用。異種金属の直接接触は電食と過熱の原因となります。
標準参考
- 電気設備技術基準 — 内線規程
- JIS C 8305 — 配線用遮断器
- JIS C 3102 — 銅 stranded wire
- JEAC 8001 — 高圧・特別高圧受電設備の設計
よくある質問
20アンペアにどの電線サイズが必要?
20A回路には3.5mm²の銅線を使用。電気設備技術基準の内線規程では、3.5mm²銅線の許容電流は26A(75°C絶縁)ですが、過電流保護は最大20Aに制限されます。長距離配線(>15m)の場合は、電圧降下を3%以内に抑えるために5.5mm²への増径を検討してください。
2.0mm²電線を20Aブレーカーに使えますか?
いいえ。2.0mm²銅線の過電流保護は最大20Aですが、電気設備技術基準では15A回路用とされています。20Aブレーカーに2.0mm²を使用することは規則違反で火災の危険があります。ブレーカーが切れる前に電線が過熱する可能性があります。
銅線とアルミ線の違いは?
銅の導電率はアルミより61%高いため、アルミ線は同じ許容電流を得るために約2ランク大きなサイズが必要です。アルミ線は安価で軽いため、引込み線や大容量幹線(100A以上)に適しています。アルミ線の接続には、必ずCu-Al併用端子を使用してください。
電圧降下の計算方法は?
V_降下 = I × R × 2 × L / 1000。I=電流(A)、R=1,000mあたりの抵抗(Ω/km・電線表より)、L=片道長さ(m)。2を掛けるのは往復分です。電気設備技術基準では、支線回路の電圧降下を3%以内に抑えることを推奨しています。
mm²とAWGの換算方法は?
AWG(米国線規)は北米標準で、数字が小さいほど太い電線です。主な対応:14 AWG ≈ 2.08mm²、12 AWG ≈ 3.31mm²、10 AWG ≈ 5.26mm²。日本ではmm²表記が標準ですが、米国製機器ではAWG表記も見られます。